子どもの絵と成長について調べていたら、とても興味深い記事にたどり着きました。
J−STAGE(科学技術情報・流通総合システムJ-STAGEは、国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)が運営する電子ジャーナルプラットフォームです)に載っていた論文です。
総感覚で描く絵 ー幼児の絵と成人の絵の共通性データと考察 千場良光氏
A4で20ページの長さですが、最初の6、7ページくらい読むだけでも、開眼するのに十分です。ぜひ読んでもらいたいです。
物の認識の仕方が成人と幼児では違うこと、絵の描き方には「視覚型」と「接触型」の2タイプがあること、という既存の研究の紹介の他、ご自身の体験や見聞を基にヒトの総感覚で描く絵(総感覚的写実画)についての考察が記されています。
この論文を読んで
自分の思っていた「絵が描ける」とは、目で見えた通りに描けること、その技術を持っていることでした。見る力、形をとらえる力、紙という平面に立体的に描ける力を身につけることでした。
「それがそれらしく見える絵」と、自分では「絵が描ける」ことの目標を低く設定しているつもりだったけれど、それは視覚的な絵という、ほんの狭い範囲の中での話でした。絵に対する常識が振りはらわれた感じ。絵を描くことの定義はもっと広くて、視覚的にリアルな絵(目で見て描く絵)は一つの部分でしかない。五感と感情を持って対象を描くことが絵を描くことなら、誰でもできるのだと、誰でも自然に備わっている力なのだと強く感じました。
そして、わたしは絵が描けないのではないとわかりました。わたしは絵を描ける。ただ、描く方法を知らなかっただけだと。それも視覚的リアルな絵を描く術を知らなかっただけだと。
それ以来、わたしは絵が描けるようになりました。もちろん下手だけど、絵が描けない人ではなく絵が描ける人になりました。わたしは絵が描ける!誰でも絵は描ける!
簡潔に言葉にすることが難しくて、なかなかブログを書けませんでした。今も十分に書けたとは言い難いけれど、この思いをひとまず形にしないと次に進めないと言う気持ちでこの記事を書きました。絵も文章も本当にもどかしい。
このブログを読んでくださった皆さんには是非是非、上で紹介したリンク先の論文を読んでもらいたいです。そしてご自身で個々に感じたものを大切にしてもらいたいと思っています。